
国家公務員共済組合連合会
虎の門病院肝臓センター肝臓科医長
荒瀬 康司先生 |
タイプに応じて治療法を選択
肝機能が正常値でも要注意
当院のデータでは、急性肝炎になると、76・7%が慢性肝炎に移行し、その後、年率2・1%で肝硬変に進みます。そして肝硬変は年率5・2%で肝がんに至ります。C型肝炎患者の死因を、65歳時の肝病変との関連で見ると、慢性肝炎が軽度(F1)なら、肝臓病関連死は2割ですが、中等度(F2)になると約半分、前肝硬変および肝硬変では約8割が肝がんや肝不全等で亡くなっています。
C型慢性肝疾患治療の目的は、肝疾患による死亡、特に肝がんを防ぐことです。そのために、まずウイルスの排除を目指す治療を行い、それが行えない場合や、ウイルスが排除できなかったときには肝臓の炎症を抑える治療を行います。
C型肝炎ウイルスを排除する治療の中心は、ペグインターフェロン/リバビリン併用療法です。最近の治療指針では、最も治りにくい1型高ウイルス量タイプの場合はペグインターフェロン/リバビリン併用療法を48週間行い、比較的治りやすい2型高ウイルス量では併用療法を24週間行うこととされています。最も治りやすい2型低ウイルス量ではインターフェロンの単独療法が行われます。併用療法は肝臓の状態、年齢、血液の状態(貧血、白血球・血小板減少など)、体重などを参考に行えるかどうかを検討します。また最近、ALT(GPT)が正常範囲にある人でも、徐々に肝炎が進んでいくことが分かってきました。とくに血小板数が15万未満の方では肝炎が進行している可能性があり、治療が難しくなる年齢になる前に早めに治療を受けることが勧められます。
(あらせ・やすじ) 76年東京大学工学部修士卒。83年日本大学医学部卒。虎の門病院消化器科医長を経て、2005年から現職。日本肝臓学会指導医・評議員、日本消化器病学会指導医・評議員など歴任。 |