インターフェロン治療で
10年後の生存率が著明に改善
肝がんで毎年3万5千人の方が亡くなっており、その8割がC型肝炎からの発生です。重要な発がん因子に、炎症が続いて肝臓が硬くなる線維化が挙げられます。進行度でF1〜F4に分類され、F1(軽度、血小板数18万前後が相当)なら年間発がん率は0・5%ですが、F2(中等度、同15万前後)なら1〜2%、F3(前肝硬変、同13万前後)なら4〜5%、F4(肝硬変、同10万以下)になると7%です。1ステージ進むのに10年かかりますが、高齢になるほど線維化は速く進みます。男性、お酒をたくさん飲む、ALT(GPT)が高いことなども発がんに関係します。
大阪府で、C型肝炎の方ががんになった年齢をみると、男性は60歳代、女性は70歳代で最も多く、患者は高齢化し、女性の割合が増えています。さらに最近では、高齢の男性で、肝硬変になっていない方からも肝がんが多く見られるようになりました。
肝がんを抑制するためには、インターフェロンによる治療が強く勧められます。90年代にインターフェロン単独療法を受けた方の10年後の発がん率をみると、治療しなかった方の32・3%ががんになったのに対し、治療した方は18%。10年後の生存率も治療しなかった方の77・2%に対し、治療した方は90%以上でした。インターフェロンでウイルスを完全に排除できた人に限れば、さらに発がん率は低くなります。
また最近は、肝がんになり、その治療を行った後にインターフェロン治療をすることで、再発が抑制され、生命予後が改善されることが相次いで報告されています。
(いまい・やすはる) 78年大阪大学医学部卒。市立池田病院内科主任部長、大阪大学医学部臨床教授兼任などを経て、2005年から現職。日本肝臓学会評議員・指導医、日本消化器病学会評議員・指導医など歴任。 |